※本記事にはアフィリエイト広告が含まれています。
「ネットで見た物件、店に行ったら『ない』って言われた。あれは何だったの?」
その違和感は正しいです。先に結論をどうぞ。
- おとり物件=成約済み・存在しない・貸す気のない物件を、集客のために掲載し続ける広告
- 宅建業法・景品表示法で禁止されている違法な手口(それでも消えないのは後述の構造のせい)
- 見分ける最強のふるいは「現地集合で内見できますか?」の一言
- 遭遇したら、その店で別の物件を借りないことが一番の防御
このあと、なぜ生まれるのかという業界の裏側から解説します。
なぜおとり物件が生まれるのか【業界の構造】
見分け方の前に、店側の事情を知ってください。手口は、構造が分かれば見抜けます。
賃貸の営業は「反響」がすべて
賃貸仲介の集客は、ほぼ100%がポータルサイトからの問い合わせ(業界では「反響」と呼びます)です。反響がなければ案内も契約もゼロ。だから店は、クリックされる物件=相場より安く見える物件を載せたい誘惑と常に隣り合わせです。
そして営業側にはこういう計算があります。
- 好条件の広告で問い合わせを取る
- 来店してもらえば「あの物件は埋まったんですが…」と別の物件を提案できる
- わざわざ来店した客は「せっかく来たし」と案内に乗ってくれる
来店さえさせれば営業のスキルで決められる。これが、おとり広告が使われる理由です。
「悪意の店」と「更新が雑な店」の2種類がある
公平のために書くと、掲載が残っている理由には2種類あります。
| タイプ | 中身 | 見分けのヒント |
|---|---|---|
| 悪意型 | 埋まった物件・存在しない条件と知りながら掲載を続ける | 問い合わせ時は「案内できます」→来店すると「埋まりました」 |
| 怠慢型 | 成約後の掲載取り下げが遅れているだけ | 問い合わせの時点で「埋まりました」と正直に言う |
電話やメールの時点で正直に「終了しました」と言う店は、怠慢型であることが多く、悪質とまでは言えません。危険なのは、来店するまで「ある」と言い続ける店です。
おとり物件を見分けるサイン5つ
① 相場より明らかに安いのに、条件が良すぎる
駅徒歩5分・築浅・設備充実で、周辺相場より1〜2万円安い。**その条件なら広告を出す前に埋まります。**賃貸には「良い物件ほどネットに載る前に決まる」という身も蓋もない現実があります。相場観は手取り別の家賃目安で養ってください。
② 「まずご来店ください」と内見を渋る
普通の店は、内見希望に日程で応えます。物件より先に来店を求める店は、あなたを「別物件を提案できる席」に座らせたいのかもしれません。
③ 物件の住所・建物名を教えない
「現地でのトラブル防止のため」などの理由で所在地をぼかすケース。実在すれば、申込前でも所在地はまず伝えられます。教えられないのは、他社で調べられるか存在しないかのどちらかを疑う場面です。
④ 写真が少ない・外観や間取り図だけ
室内写真が数枚しかない、外観のみ、他物件の使い回しに見える。実在する空室なら写真は撮れるはずです。
⑤ 問い合わせると「それは埋まったが、似た物件がある」
このセリフが来店前から出てきたら、最初からその物件で集客するつもりだった可能性が高い。「似た物件」の詳細を先に送ってもらい、内容で判断してください。
最強のふるい:「現地集合で内見できますか?」
見分け方を1つだけ覚えるなら、これです。
「その物件、今週◯曜に現地集合で内見できますか?」
- 実在する空室なら → 「できます」と日程調整が始まる
- おとり物件なら → 「先に店舗へ」「その日は埋まって…」と、現地を絶対に避ける
おとり物件は現地に連れて行けません(存在しない・すでに人が住んでいる)。だから現地集合の提案は、店側が最も断りたい質問です。営業側にいた人間として、これほど効くふるいは他にありません。
遭遇したときの対処法
- そのまま別物件の案内に乗る:おとりで客を集める店の「おすすめ」は、店の決めたい物件です。あなたの条件は二の次になりがち
- 「せっかく来たから」で申し込む:交通費と1時間を惜しんで、2年間の住まいを妥協するのは割に合いません
正しい動きは2つです。
- **その場は「検討します」で帰る。**引き止めトークが強いほど、その店で決めてはいけません
- **気になった物件は他社で探す。**賃貸の多くは複数の不動産屋が仲介できる仕組みです。同じ部屋が別の店で普通に内見できることがあります
なお、おとり広告はポータルサイト側も問題視しており、各サイトに情報提供(通報)フォームがあります。実害があった場合はそちらへ。
おとり物件 よくある質問(FAQ)
Q. おとり物件は違法ではないんですか?
A. 違法です。宅地建物取引業法の誇大広告等の禁止、景品表示法のおとり広告規制に触れ、行政処分の対象になります。それでも残るのは、この記事で書いた「反響がすべて」という構造と、外から立証しにくいためです。
Q. 大手のポータルサイトに載っていれば安心ですか?
A. サイト側も掲載ルールとパトロールを強化していますが、掲載しているのは各不動産屋なので、ゼロにはなっていません。サイトの知名度より「現地集合で内見できるか」で判断するほうが確実です。
Q. 問い合わせで「埋まりました」と言われたら、全部おとりですか?
A. いいえ。良い物件が普通に成約しただけのことも多いです。見分けるポイントは正直に言うタイミング。問い合わせの時点で「終了しました」と言う店はむしろ誠実で、来店するまで引っ張る店が危険です。
Q. おとりが心配です。信頼できる不動産屋の見分け方はありますか?
A. デメリットも言う営業マンがいる店を選んでください。「この部屋は日当たりが弱いです」と自分から言う営業は、決めさせるより合う部屋を探すタイプです。あとは内見時の対応で分かります。チェック項目は内見チェックリスト15項目にまとめています。
まとめ:「現地集合」の一言で、ほぼ見抜ける
- おとり物件は「来店させれば別物件を決められる」という業界構造から生まれる
- サインは安すぎる好条件・来店の強要・住所を教えない・写真不足・即「別物件」提案の5つ
- 最強のふるいは「現地集合で内見できますか?」
- 遭遇したら、その店で借りない。同じ物件は他社で扱えることが多い
次の行動はひとつ。気になる物件に問い合わせるとき、「現地集合で内見できますか」と聞く。この一言を習慣にするだけで、おとり物件にはほぼ引っかかりません。