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「60歳まで引き出せないのが怖い」という理由で、iDeCoを先延ばしにしてしまう人は多いです。
25歳で知人から勧められても3年間先延ばしにし、28歳でようやく重い腰を上げる——というのはよくあるパターンです。
そこで3年間の差額を実際に計算してみました。
- iDeCoを3年遅らせた場合の損失計算(節税+運用益)
- 「60歳まで引き出せない」は本当に不安なのか
- iDeCoで実際にいくら節税できるかの具体的な数字
- 会社員のiDeCo上限額と始め方
3年遅らせた場合の損失計算
前提:
- 年収:420万円(課税所得は約171万円。所得税率5%・住民税10%)
- iDeCo拠出額:月12,000円(本記事の試算条件。会社員の上限は加入する年金制度により月20,000〜23,000円)
- 運用:年率5%(長期インデックス想定)
節税効果の比較
iDeCoの節税効果:掛金全額が所得控除
月12,000円×12ヶ月=年間144,000円の所得控除
年間節税額(所得税5%+住民税10%): 144,000円×15%=年間21,600円の節税
3年間分の節税損失:21,600円×3年=64,800円
⚠️ 所得税率は「年収」ではなく「課税所得」で決まります。年収420万円から給与所得控除・社会保険料・基礎控除を引くと課税所得は約171万円になり、195万円以下なので税率は5%です。年収にそのまま10%を当てはめている解説が多いので注意してください(国税庁 No.2260)。
運用益の比較(25歳スタート vs 28歳スタート)
| 年齢 | 25歳スタートの資産 | 28歳スタートの資産 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 30歳 | 約816,000円 | 約302,000円 | 約514,000円 |
| 35歳 | 約1,863,000円 | 約1,204,000円 | 約659,000円 |
| 40歳 | 約3,207,000円 | 約2,361,000円 | 約846,000円 |
| 60歳 | 約13,633,000円 | 約11,337,000円 | 約2,296,000円 |
*月12,000円積立・年率5%・複利計算
60歳時点の差額:約230万円。
「3年先延ばしにしたコスト」は30歳時点で約51万円、60歳時点では約230万円に膨らみます。
「60歳まで引き出せない」への回答
先延ばしにする最大の理由は「60歳まで引き出せない」という不安です。
これに対する答えはこうです。
老後のお金として「引き出せない」のは設計上の正解。
- 定年後に必要なお金を「使えない状態」にしておく
- 現役時代に運用しながら、老後に一括または年金型で受け取る
- 途中で使いたい誘惑に駆られても「引き出せない」から守られる
「老後2,000万円問題」を自分で解決するための専用口座です。
iDeCoの節税効果・年収別シミュレーション
月12,000円で拠出した場合の年間節税額(会社員の上限は年金制度により月20,000〜23,000円):
| 年収 | 課税所得の目安 | 所得税率 | 住民税 | 年間節税額 |
|---|---|---|---|---|
| 300万円台 | 約99万円 | 5% | 10% | 約21,600円 |
| 400万円台 | 約158万円 | 5% | 10% | 約21,600円 |
| 500万円台 | 約213万円 | 10% | 10% | 約28,800円 |
| 600万円台 | 約278万円 | 10% | 10% | 約28,800円 |
年収が高いほど節税効果が大きい。500〜600万円台の方は月12,000円で年間2.9万円の節税になります。
※独身・扶養なし・社会保険料は年収の約15%と仮定して課税所得を算出しています。扶養や他の控除があるとさらに下がります。
iDeCoの始め方(3ステップ)
- 証券口座を開設する(楽天証券・SBI証券が手数料安くおすすめ)。口座開設の具体的な手順は新NISAの始め方【楽天証券で口座開設〜積立設定まで全手順】に画像付きでまとめています。iDeCoも同じ口座から申し込めるので、まず口座を用意するところから始めれば大丈夫です
- 勤め先に「企業型DCなし」を確認(既に企業型DCに加入している場合は掛金上限が変わる)
- 申し込み書類を提出(証券会社から届いた書類に記入→勤め先経由で国民年金基金連合会へ)
申し込みから口座開設まで1〜2ヶ月かかるため、早めに手続きを始めるのがおすすめです。
iDeCo よくある質問(FAQ)
Q. 20代でiDeCoとNISA、どちらを優先すべきですか?
A. 多くの20代はまず新NISA(いつでも引き出せる)を優先し、生活に余裕が出たらiDeCoを追加するのが安全です。ただしiDeCoは掛金が全額所得控除という強力な節税があるため、収入が安定し当面使う予定のない資金があるなら早く始めるほど有利です。
Q. 途中で掛金を止めたり減らしたりできますか?
A. できます。掛金は年1回変更可能で、家計が厳しいときは「拠出を一時停止(運用指図者になる)」こともできます。ただし口座管理手数料は止めている間もかかるため、月5,000円など無理のない額で続けるのが理想です。
Q. iDeCoの口座管理手数料はどれくらいですか?
A. 加入時に2,829円(初回のみ)、運用中は月171円〜(金融機関により差あり)です。楽天証券・SBI証券・マネックス証券などは運営管理手数料が0円なので、手数料を最小化できます。
Q. iDeCoは月いくらから始められますか?
A. 月5,000円から1,000円単位で設定できます。会社員の上限は加入している企業年金によって異なり、企業年金がない人は月23,000円、企業型DCや確定給付企業年金(DB)に加入している人と公務員は月20,000円です(厚生労働省。後者は2024年12月に月12,000円から引き上げられました。本記事の試算は月12,000円ベース)。なお2025年成立の年金制度改正により、2026年12月からは企業年金のない会社員の上限が月62,000円に拡大される予定です。まずは無理のない額で始め、余裕が出たら増額するのがおすすめです。
まとめ
- iDeCoを3年遅らせた節税損失:約64,800円
- 60歳時点での運用益差:約230万円
- 「60歳まで引き出せない」は老後資金として設計上正しい
- 生活防衛資金を確保した上で、月12,000円くらいから始めるのが現実的(会社員の上限は月20,000〜23,000円)
「いつか始めよう」が最も高くつく選択です。1ヶ月早く始めるだけで節税額と運用益が積み上がります。今日、証券会社のiDeCo申し込みページを開いてみてください。