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新NISAを始めると、次に気になるのが「iDeCoもやるべき?」という疑問です。
結論を先に言うと、20代はまず新NISAを優先。iDeCoは節税メリットが大きい一方で、20代には見過ごせない注意点があります。
この記事では、iDeCoと新NISAの違い、メリット・デメリットを比較し、20代がどちらを優先すべきかを正直に解説します。
- iDeCoとは何か(仕組みとメリット)
- iDeCoと新NISAの違い
- 20代がiDeCoで注意すべき点
- 結局どちらを優先すべきか
iDeCoとは?
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で積み立てる私的年金の制度です。毎月一定額を積み立てて運用し、60歳以降に受け取ります。
最大の魅力は節税効果。積み立てた掛金が全額所得控除になり、その年の所得税・住民税が安くなります。
税金は、収入そのものにかかるのではありません。収入から「差し引いてよい金額」を引いた残りに対してかかります。この差し引ける金額が所得控除です。
iDeCoは払い込んだ掛金の全額がこの控除になります。つまり年収は同じままなのに、税金の計算対象になる金額だけが小さくなるので、その分だけ払う税金が減るという仕組みです。
iDeCoと新NISAの違い
20代がよく迷う2つの制度を比較しました。
| 項目 | iDeCo | 新NISA |
|---|---|---|
| 節税 | 掛金が全額所得控除+運用益非課税 | 運用益が非課税 |
| 引き出し | 原則60歳まで不可 | いつでも引き出せる |
| 掛金上限 | 月2〜2.3万円(会社員の場合) | 年360万円まで |
| 向いている人 | 老後資金を確実に貯めたい人 | 柔軟に使いたい20代 |
iDeCoの掛金上限は、勤め先に企業年金があるかどうかで変わります。企業年金がない会社員は月2.3万円、企業型DCや確定給付企業年金(DB)に加入している会社員と公務員は月2万円です(厚生労働省。2024年12月に月1.2万円から引き上げられました)。自営業の方は月6.8万円です。
さらに2025年成立の年金制度改正により、2026年12月(2027年1月引落分)から企業年金のない会社員の上限は月6.2万円に拡大されます(楽天証券の解説)。iDeCoの節税メリットは今後さらに大きくなる予定です。
20代がiDeCoで注意すべき点
- 原則60歳まで引き出せない:急にお金が必要になっても使えない
- 手数料がかかる:加入時・毎月の口座管理手数料が発生する
- 元本割れの可能性:iDeCoも投資なので、運用商品によっては損をすることもある
- 掛金の変更はできるが手間:ライフスタイルの変化に即応しにくい
特に「60歳まで引き出せない」点が、20代にとっては大きな制約です。結婚資金や急な出費に対応できないお金を、若いうちから多く積むのは慎重になるべきです。
結局、20代はどちらを優先すべき?
私の結論は、まず新NISAを優先、余裕ができたらiDeCoを検討です。
- 生活防衛資金を貯める(現金で生活費3〜6ヶ月分)
- 新NISAで積立投資を始める(いつでも引き出せる柔軟性)
- 収入が安定し余裕ができたらiDeCoも追加(節税メリットを活かす)
新NISAは「いつでも引き出せる」柔軟性があり、ライフイベントの多い20代に合っています。まずはこちらで投資に慣れるのが王道です。
新NISAの始め方は、こちらのガイドで解説しています。
iDeCoの節税効果を具体的な数字で見る
iDeCoの節税効果は年収によって変わります。ここでは20代でも無理なく続けられる額として、月12,000円(年144,000円)を積み立てた場合で計算しました。
| 年収 | 課税所得の目安 | 所得税率 | 住民税 | 年間節税額 | 10年間の節税額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 約99万円 | 5% | 10% | 約21,600円 | 約216,000円 |
| 400万円 | 約158万円 | 5% | 10% | 約21,600円 | 約216,000円 |
| 500万円 | 約213万円 | 10% | 10% | 約28,800円 | 約288,000円 |
| 600万円 | 約278万円 | 10% | 10% | 約28,800円 | 約288,000円 |
ここを間違えている解説が多いので注意してください。
所得税率は「年収」ではなく「課税所得」で決まります。課税所得は、年収から給与所得控除・社会保険料・基礎控除などを差し引いた残りです。年収400万円でも、差し引いた後の課税所得は約158万円になるため、税率は10%ではなく5%です。
上の表は「独身・扶養なし・社会保険料は年収の約15%」と仮定して計算しています。扶養家族がいる人や他の控除がある人は、課税所得がさらに減るので税率が下がることもあります。
年収400万円の場合、月12,000円の掛金で年間約2.2万円の節税効果。10年で約22万円の節税になります。これに運用益の非課税分が加わります。
上限いっぱい(企業年金がない会社員なら月23,000円)まで積み立てれば、節税額はこの表の約2倍になります。ただし60歳まで引き出せないお金が増えることでもあるので、20代のうちは無理のない額から始めるのが安全です。
ただし「60歳まで引き出せない」ため、この節税額が本当に得かどうかはライフプランによるのが正直なところです。
iDeCoが向いている20代もいる
ただし、以下に当てはまる人はiDeCoを早めに始める価値があります。
- 収入が安定していて、当面使う予定のないお金がある
- 所得税・住民税の節税メリットを最大限活かしたい
- 「老後資金を強制的に貯めたい」(引き出せないことをむしろメリットと捉える)
節税効果は収入が高いほど大きくなるので、昇給して余裕が出てきたタイミングで検討するのがおすすめです。
iDeCoを先延ばしにした後悔の実体験:
20代のiDeCo よくある質問(FAQ)
Q. NISAを満額やれていないうちはiDeCoは不要ですか?
A. 基本はその理解でOKです。ただしiDeCoには「掛金の所得控除」というNISAにない節税があるため、「収入が安定していて60歳まで使わないお金がある」なら、NISAと少額併用する価値はあります。
Q. 転職・退職したらiDeCoはどうなりますか?
A. 持ち運べます(ポータビリティ)。転職先の企業型DCに移すか、iDeCoのまま継続するかを選べます。手続きを6ヶ月放置すると自動移換されて手数料がかかり続けるので、転職時は早めの手続きが必要です。
Q. 60歳より前にどうしてもお金が必要になったら?
A. 原則引き出せません。「脱退一時金」という例外はありますが、7つの条件をすべて満たす必要があり、その中に「iDeCoに加入できない人(国民年金保険料の免除を受けている人など)であること」が入っています(iDeCo公式)。保険料を普通に納めている会社員は、この時点で対象外です。実質「引き出せない」と考えてください。だからこそ「生活防衛資金とNISAが先、iDeCoは余裕資金で」の順番になります。
Q. iDeCoの節税効果がない人もいますか?
A. います。所得税・住民税を払っていない人(専業主婦(夫)・低所得の場合)は「掛金の所得控除」の恩恵がありません。その場合は運用益非課税のメリットだけになるため、NISAを優先する方が合理的です。
まとめ
- iDeCoは掛金が全額所得控除になる節税メリットが大きい
- ただし原則60歳まで引き出せない(20代には大きな制約)
- 20代はまず新NISAを優先(柔軟に引き出せる)
- 生活防衛資金→新NISA→余裕ができたらiDeCoの順がおすすめ
iDeCoは強力な節税制度ですが、「60歳まで引き出せない」という制約があります。ライフイベントの多い20代は、まず柔軟な新NISAから始めて、収入に余裕ができてからiDeCoを検討するのが安心です。